Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
本研究において、ジアリールエテンをはじめとするフォトクロミック色素をペプチド鎖に導入し、生体分子間相互作用の光制御、さらにはそこから派生する協調的生体内連鎖反応のメカニカル制御を目指した。フォトクロミック色素の中でも極めて高い光安定性を示すジアリールエテンを骨格とするクロスリンク剤を開発し、これを用いて架橋ヘリカルペプチドを合成した。架橋直後においては、ジアリールエテン骨格は開環構造(無色)をとっており、架橋ペプチドは安定なα-ヘリックス構造を形成している。ここに紫外光を照射すると、ジアリールエテン骨格は閉環構造(着色)へと異性化し、それに伴ってヘリックス構造は不安定化する。可視光を照射するとジアリールエテン骨格は開環構造へと異性化し、安定なヘリックス構造へ戻る。平成21年度において、DNA結合タンパクの結合ドメインを基に合成した架橋ヘリカルペプチドとDNAとの相互作用を光照射によって制御することに成功した。平成22年度において、光異性化能を持たないクロスリンク剤で架橋したヘリカルペプチドとDNAとの相互作用を定量的に評価した。解析の結果、架橋ヘリカルペプチドはsub-nMレベルの強い結合能とオリジナルのタンパクに匹敵する高い基質特異性を有することがわかった。この結果は、非常に高いレベルでDNAとタンパクの相互作用を光照射によって制御できることを示唆している。また、既に合成法を確立しているジアリールエテンを骨格とする非天然アミノ酸のオリゴマー化(4 mer)に成功した。現在、鎖長の長いオリゴマーを合成し、その光物性を調べている。
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http://www.pha.u-toyama.ac.jp/yakka/index-j.html