Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ジアリールエテン誘導体は光照射によって可逆に分子構造が異性化するフォトクロミック化合物である。ジアリールエテンの開環体構造には2種のアリール(複素芳香環)部位が置換可能であり、アリール部位の種類によって、開環体構造や閉環体構造のそれぞれのの構造の物理的性質や、光反応性が変化するものと考えられる。本研究では、新規な化学構造を有するオキサゾール誘導体やベンゾシロール誘導体の合成法の確立と、複素芳香環の光反応点炭素部位上の構造の変化に伴う、光反応性の変化や物性の変化に関する研究を行った。1.オキサゾール誘導体の研究では、光反応点部位に直鎖アルキル置換基、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換基を有する誘導体を合成した。単結晶状態において、エチル、プロピル、ブチル置換基はフォトクロミック反応性を示した。単結晶状態においてフォトクロミック反応しないメチル誘導体においては、2分子で分子内水素結合の存在が確認され、結晶フォトクロミック反応が起こらないことを確認した。それ以外のアルキル基の場合はメチル誘導体でみられた水素結合は認められなかった。2.新規のベンゾシロール環を有するジアリールエテン誘導体を合成し、溶液中と単結晶中におけるフォトクロミック反応性を確認した。ヘキサン中の閉環体の吸収スペクトルは、従来のベンゾチオフェンやベンゾフランの誘導体よりも短波長側で吸収した。3.光反応点にフェニル長鎖アルキル基を有する誘導体において、過冷却溶融した無色の開環体の状態で紫外光照射すると、閉環体の生成により閉環体の単結晶が得られることが確認された。可視光照射すると結晶が溶け無色の開環体の液体が生成した。光照射によって液体、結晶が可逆に生成する反応系が構築できた。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (6 results)
Chemistry Letters
Volume: 40(In press)
Journal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistry
Volume: 213 Pages: 141-146
Journal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistry 207
Pages: 282-287