Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
宿主側GPIアンカーがトキソプラズマ感染に及ぼす影響を調べるため、GPIアンカー生合成能欠失変異CHO細胞の原虫への感受性を野生株と比較した。その結果、変異株は野生株に対し有意に感受性が上昇していた。また野生株と変異株では感染後期の増殖に差が認められた。これらのことから、宿主のGPIアンカー又はGPIアンカー型蛋白質が、原虫の増殖のうち後期の増殖のみを特異的に阻害している可能性が示唆された。原虫の増殖に影響を与える要因として、ロプトリー蛋白質に着目した。ロプトリー蛋白質は、parasitophorous vacuole膜(PV膜)の形成に関与することが知られており、原虫の宿主侵入の際に小胞(evacuole)として原虫から宿主に注入される。原虫によるROP1、2及び16のそれぞれを指標に、evacuole形成能を両細胞間で比較したところ、変異株で明らかにevacuoleの形成が過剰になっていた。また、ROP1、2及び16は過剰形成されたevacuole内で、共局在していた。増殖の際、PV膜に宿主のミトコンドリアやERがリクルートされ、特にミトコンドリアのリクルートにはROP2が関与することが報告されている。そこで原虫のミトコンドリア・リクルート能を両細胞間で比較したところ、変異株内でのリクルートが増加していた。これらのことから、GPI生合成能欠失株では、原虫によるevacuole形成が過剰になり、PV膜へのミトコンドリア・リクルート能が増加した結果、増殖が増大した可能性が示唆された。現在evacuole及びPV膜内への宿主GPIの取込みを解析中である(投稿準備中)。
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医事新報
Volume: 4489 Pages: 39-43
感染症・炎症・免疫
Volume: 40 Pages: 181-183
Proceedings of the National Academy of Sciences of U.S.A. 106
Pages: 12820-12825
蛋白質・核酸・酵素 54
Pages: 1047-1052
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