Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ニパウイルスは致死率の高い新興感染症で、オオコウモリからブタを介してヒトに伝播した。様々な動物種に感染することが知られているが、病原性には動物種によって相違が認められる。また、ヒトへの病原性もマレーシアでの大流行の際には致死率40%であったのに対し、近年散発的流行を起こし続けているバングラディシュやインドでの致死率は70%と極めて高い。このような病原性の違いが起こる原因の解明は重要である。そこで、病原性の異なるニパウイルス2株の各種遺伝子について、我々が以前確立したreverse genetics系を用いて組換えウイルスの作出を行った。遺伝子構築を我が国で行い、infectious clonesから感染性ウイルスをBSL4施設で回収することに成功した。また、昨年度から遅延していたサルの感染モデル系の確立について、死亡個体の臓器でのウイルス分布などの詳細な解析を行った。さらに、ニパウイルスの各種蛋白に蛍光標識を行い、細胞内に発現させた生細胞でそれらの動きを追跡した結果、N蛋白とP蛋白が相互作用する際にドット状になることを見いだし、これを指標にdeletion mutantsを作製して解析した結果、western blotなどのこれまでの手法では発見できなかった新たな部位を発見することができた。この結果は、ニパウイルスの細胞内での増殖様式の一端を明らかにするものである。この手法の有用性が明らかになったので、続いて他のウイルス蛋白の蛍光タグ付き蛋白の作出も行い、現在詳細な解析を行っている。
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PLoS ONE
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http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/jikkendoubutsu/index.htm