マラリア原虫肝臓感染ステージの遺伝子発現制御に関わる転写因子の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
油田 正夫 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90293779)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥13,700,000 (Direct Cost: ¥13,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2009: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
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Keywords | マラリア / 転写因子 / 肝臓感染 / スポロゾイト |
Research Abstract |
マラリア原虫の肝臓侵入ステージであるスポロゾイトとそれに続く肝細胞内寄生ステージは感染阻止免疫を誘導できるきわめて重要なステージである。しかしながらその感染機構はいまだ多くの点で明らかになっていない。申請者はこれまでの研究でApetala2(AP2)ファミリーの遺伝子群がマラリア原虫の転写因子をコードしていることを明らかにした.特にマラリア原虫のオオキネートステージで発現されるAP2ファミリー転写因子AP2-0(AP2 in ookinetes)が中腸感染に関わる遺伝子群を誘導していることを明らかにした。 本研究では以上の知見をもとに、スポロゾイト及び肝細胞内寄生ステージの転写因子AP2-Sp(AP2 in sporozoites)とAP2-E(AP2 in exoerythrocytic forms)を同定した。AP2-Spはほとんど全てのスポロゾイト期の感染関連遺伝子の発現を制御するマスター転写因子であった。AP2-Spはスポロゾイト期を通じて発現されその核に局在していた。AP2-Sp遺伝子を破壊した原虫ではオオシスト内でのスポロゾイトの形成が観察されなかった。さらにAP2-Oとのキメラ転写因子をオオキネート期に発現させたところその標的遺伝子の一部をオオキネート期に発現させることができた。これらの内にはスポロゾイトの肝臓侵入にとって重要な役割を有している遺伝子が含まれていた。一方AP2-Eは肝細胞感染後早期の肝内型原虫の発育、増殖を制御する転写因子であった。AP2-Eを破壊した原虫は肝細胞に正常に侵入したが、次のステージである赤血球感染ステージを形成することが出来なくなった。野生型では肝細胞感染後約24時間より核DNAの複製、細胞の増大がみられたが、ノックアウト原虫ではほとんど観察されなかった。このことはAP2-Eが肝内ステージのdevelopmentを制御するマスター転写因子であることを強く示唆した。今後AP2-Eを手掛かりとしてマラリア原虫の肝臓感染機構を明らかにしたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)