Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
FtsHやプロテアソームなどのAAA^+プロテアーゼの分子メカニズムを理解する上で共通する未解決な疑問は、「AAA^+プロテアーゼはATP加水分解に伴って、いったいどのようにして基質を連続的に内部に送り込んでいるのだろう?」ということである。この問題を理解するための基盤となる研究として、申請者はこれまでにFtsHの細胞質領域の6量体結晶構造を決定した。本研究では構造情報をもとにして膜結合型AAA+プロテアーゼの新規活性測定系を構築し、詳細な基質とりこみ機構の解明を目指す。具体的にはFRETによる基質とりこみ測定系を構築し、一分子FRET顕微鏡観察や蛍光相互相関分光法(Fluorescence Cross Correlation Spectroscopy,FCCS)などに応用・発展させ、これらの多角的な解析により膜結合型AAA+プロテアーゼの基質とりこみ機構の共通原理を明らかにする。本年度はこの構造情報を元にFtsHの基質とりこみ機構解明に向けた様々な生化学的解析を行い、FtsHの機能発現に重要な領域の存在を明らかにした。同時に本研究で用いる変異体も作成し、活性の確認をした。また、従来の手法にはないFtsHの定量的で簡便な測定法を確立する。本年度は蛍光ラベルした基質タンパク質の分解産物を蛍光強度で定量することで簡便で定量的な活性測定系を確立した。さらにFtsHの基質分解をFRET解消によりタイムコースで検出することに挑戦した。蛍光タンパク質融合基質を作製し、FRETを起こすよう蛍光色素をラベルする。FtsHによる分解により起こるFRET解消を検出することにより簡便な測定系を確立する。GFPもしくはmCherry-基質融合体を数種類作製した。多くは発現条件の検討の余地があり、現在検討中である。
All 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
Biochemical Journal 421
Pages: 71-77