液胞膜プロトンポンプと亜鉛輸送体の分子構造と作動・共役機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
21023012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前島 正義 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80181577)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 液胞膜亜鉛輸送体 / 液胞膜プロトンポンプ / 交換輸送 / 膜トポロジー / 分子構造 / 金属選択性 / 亜鉛認識 / イオンポオンプ / プロトンポンプ / H^+-ピロホスファターゼ / 液胞膜 / 機能ドメイン / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究では、Arabidopsis thalianaのMTP1(AtMTP1)を対象として構造-機能協関の解析を進めてきた。AtMTP1は398アミノ酸残基で構成され(AF072858)、6回膜貫通型単一分子である。N端とC端側は細胞質に露出し、膜貫通領域TM4とTM5の間には25個のHis残基を含む親水性ループがある。このループのHis集積領域(32残基)を欠いた変異AtMTP1は亜鉛輸送速度が11倍に増大し、亜鉛に対する親和性を変えない一方で、コバルト輸送性も示した。変異AtMTP1の輸送速度増大はHisループが細胞質亜鉛の集積に寄与している反面、親和性を示す亜鉛を透過孔に転移させるプロセスがエネルギー障壁となり、輸送速度を低下させている可能性を示している。Hisループへの亜鉛結合にともなう微細構造の変化が輸送速度を抑制している可能性もある。Hisループは、細胞質亜鉛を必要以上に輸送しない安全弁としての役割が推定される。これらの知見に加えて100残基以上の個別アミノ酸置換による機能検定も進め、亜鉛輸送速度、金属選択性を支えるアミノ酸残基と構造について明らかにした。 プロトン輸送性ピロホスファターゼ(H^+-PPase)については、I型とII型が遺伝子として同定されているが、本研究によりI型は液胞膜に局在し、II型はゴルジ装置に局在すること、さらに植物組織においてI型はII型の0.3%以下のタンパク質量であり、液胞で機能しているのはI型のみであることを解明した。これは生化学的実験に加えて、機能と局在を損なわずに自己プロモータ制御下で発現させたH^+-PPase-GFP発現株の作出成功による知見でもある。さらに、本研究開始以前から当グループメンバー試みてきた結晶構造解析の目処が立ったことも付言したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)