Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
Ig-Hepta/GPR116は,膜7回貫通型受容体のサブファミリーであるAdhesionファミリーに分類されるオーファン受容体である。この受容体の機能を明らかにするためにノックアウトマウスを作製したところ,驚いたことに,Ig-Hopta/GPR116が無くなると肺胞内に過剰のサーファクタントが蓄積することが明らかになった。昨年度,このKOマウスの表現型,特に肺の組織化学的所見とサーファクタント脂質の経時的変化を明らかにしたのに引き続き,本年度は(i)サーファクタントタンパク質の変化と(ii)定量PCRによる種々のmRNA量の変化を解析した。その結果,サーファクタントを分泌している肺胞II型細胞に多く発現しているIg-Hepta/GPR116は,主として翻訳レベルでの調節を介してサーファクタントタンパク質の量を調節しているらしいことが明らかになった。野生型とKOマウスの肺胞洗浄液中のサーファクタントタンパク質Surfactant protein A, B, C, D (SP-A, SP-B, SP-C, SP-D)の量を比較すると,いずれも数倍~数十倍KOマウスの方が多かったが,mRNAレベルでは大きな差は見られなかった。これは予想外の結果で,サーファクタント(脂質とSPの複合体)の生合成系には脂質成分とタンパク質成分のバランスをとるための調節系が翻訳レベルで組み込まれていることを示唆し興味深い。野生型とKOマウスの肺からRNAを単離し,アレイ解析を行った。上記定量PCRの結果と一致するデータとともに,予想外の結果も得られた。すなわち,Serum amyloid A3, Matrix metallopeptidase 12, ChemokineなどのmRNAがKOマウスで著増していることが明らかになった。
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