多様なロドプシン類における光感受性制御メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 理学研究科, 教授 (60127090)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 視覚 / ロドプシン類 / レチナール / 光異性化 / 量子収率 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究計画に沿って、下記の研究を行った。 光感受性の定量的な測定のために、無脊椎動物タイプの種々の紫外光感受性ロドプシン類の培養細胞系での発現効率を検討した。その結果、2種類の紫外光感受性ロドプシン類について、ある程度の発現効率を得ることができたので、それらの分子特性を部分的に検討できた。発現させたタンパク質は11-cis-retinalを発色団として紫外部に吸収極大を持つことがわかった。また、この状態に紫外光を照射するとall-trans-retinalを発色団とする可視部に吸収極大を示す活性状態が生成し、さらにこの活性状態に可視光を照射するともとの状態へ戻るという、無脊椎動物タイプのロドプシン類に特有のbistable性を示すこともわかった。11-cis-retinalを発色団とする不活性状態の分子吸光係数を求めたところ、脊椎動物のロドプシン類に比べて約1/2であることがわかった。このことから、これら紫外光感受性ロドプシン類においても対イオンが113番目以外の位置にあると分子吸光係数が低下することが示唆された。 我々は以前に、脊椎動物のロドプシン類の進化過程では可視光受容に必須である対イオン(グルタミン酸)の位置の変化が起こり、そのことによって高効率なGタンパク質活性化能を獲得したことを報告した。今回の結果から、この対イオンの変位、つまり脊椎動物の可視光受容ロドプシン類において対イオンとして機能する113番目のグルタミン酸の獲得には、ロドプシン類の進化過程で対イオンの必要ない紫外光受容体において分子吸光係数・光感受性が増大するという選択が関わったと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)