Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
哺乳類細胞の細胞膜受容体ErbB family(ErbB1~B4)とSH2, PTB蛋白質群(effector)の作る分子ネットワークが、蛋白質間の動的な相互作用を利用して、状況依存的に異なる情報を出力する機構を、生細胞での1分子可視化計測等と数理モデルによって解析することを目標として、以下の研究を行った。1.NRGとErbB3/B4の結合反応計測:1分子計測結果に基づいてNRGとErbB3/B4の結合・解離キネティクスおよび、結合親和性を説明する数理モデル構築を行った。B3/B4の2量体形成によってNRGに対する結合速度定数、解離速度定数の異なる結合部位がダイナミックに形成されること、このダイナミクスによって結合親和性が変化し、見かけの低親和性・高親和性の2種の結合部位が現れることを示唆する結果を得た。2.ErbBの活性化とエフェクター分子動態の計測:GFP標識したエフェクター分子(Grb2, Shc, PLCγ, PI3K等)をMCF-7に個々発現させ、細胞内の分子動態をFCS(蛍光相関スペクトル)で計測した。ほとんどのエフェクター分子は、自身の分子量より大きい見かけの分子量を持って細胞質中を拡散していることが分かったが、特にPI3Kでは真の分子量と見かけの分子量の解離が大きく、しかも、発現量が厳密に制御されていることが明らかになった。3.ErbBとエフェクター、エフェクター間の相互作用計測:GFPとTagRFPで標識された2種のエフェクターGrb2とShcの相互作用を、FCCS(蛍光相互相関スペクトル)と1分子可視化で計測した。従来、両者はErbB1によるShcのリン酸化後に複合体を形成し、したがって同時に1分子のErbB受容体と直接・間接に相互作用されていると考えられてきたが、我々の計測では、Grb2/Shcの共局在は細胞膜では見られなかった。
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Cell Signaling Reactions : Single-molecule Kinetic Analyses
Pages: 1-32
Pages: 59-78
Bioconj.Chem. 20
Pages: 1026-1036
Biophys.J. 97
Pages: 1227-1287
生物物理 49
Pages: 184-191
10025975747
http://www.riken.go.jp/cell-info/