Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
つぼみが開いて花になること、すなわち花器官(特に花弁)が十分に伸長することを「開花」と呼ぶ。一般にはこのときに雄しべや雌しべの成熟も起こり、有性生殖を行うことが可能になる。開花はつぼみの発達の延長として自然に起きることもあるが、多くの植物では光や温度による制御を受ける。しかし、このような生理学的な現象がどのような遺伝子の働きで実現されているのかはまだよくわかっていない。我々は、シロイヌナズナではジャスモン酸(JA)が開花誘導に深く関わっていることを明らかにする一方で、開花に異常が見られる突然変異体を単離して解析を進めてきた。本年度はdeco1突然変異体の解析を中心に研究を進めた。deco1は開花時に花弁があまり伸長しない突然変異体で、原因遺伝子1)DECO1はシトクロムP450モノオキシゲナーゼをコードしている。まずつぼみにおけるJAの蓄積量を調べた結果、deco1では野生型の約半分まで減少していたことから、DECO1はJA生合成に関係する酵素であると推定した。ペルオキシソームのβ酸化経路の酵素ACXもJA生合成経路の一部であるので、acx1/5二重変異体はJA生合成量が減少する。deco1とacx1/5の三重変異体を作ってみたところJAの蓄積量がさらに減少した。このことは、DECO1はβ酸化のバイパス経路として働いている可能性を示唆する。DECO1は小胞体に局在することから、JAの生合成はペルオキシソームのほかに小胞体でも起きるのかもしれない。開花時の花器官における遺伝子発現の変化も解析した。シロイヌナズナの花弁のような微量サンプルからRNAを抽出してマイクロアレイで分析する技術を確立し、花弁およびジャスモン酸生合成部位である花糸について、開花の2日前からの遺伝子発現を調べた。野生型に加えJA欠損変異体も使って解析し、開花時の花弁や花糸でJAの制御下で発現が顕著に増加する遺伝子を多数同定した。
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