Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
高等植物における表皮分化の分子機構を明らかにするため,シロイヌナズナの茎頂L1層に特異的な遺伝子発現に関わる転写因子PDF2,ATML1の解析をすすめた。 1)レポーターを用いたPDF2とATML1の発現解析 PDF2,ATML1各遺伝子プロモーターとGUSレポーター融合遺伝子の発現解析から,PDF2のuORFは翻訳に対して抑制的に働くこと,第1イントロンは発現を促進する効果を持つことが示唆されたが,それらが発現をL1層に限定する機構に関わる証拠は得られなかった。ATML1の第2転写開始点からの発現は,第1転写開始点に比べて弱く,表皮細胞の発生後期に強まることから,補足的であると推定された。 PDF2,ATML1を含むHD-ZIP IVファミリー全16遺伝子のうち,10遺伝子の3'非翻訳領域には短い配列HDCボックスがある。精査するといずれのHDCボックスにも逆向き相補配列が存在し,ステムループ構造の2本鎖RNAを形成することが予想された。 2)pdf2 atml1二重変異の解析 表皮欠損を示すpdf2-1 atm-1二重変異において,葉の表側マーカーPHB,裏側マーカーFILの発現をGFPレポーターを用いて調べたところ,表皮欠損は表裏の決定には影響しないことが示唆された。一方,胚発生過程におけるDR5プロモーターによるGFPの蛍光観察から,表皮欠損に伴うオーキシン極性輸送の喪失が発生遅延と器官形態異常の原因であると示唆された。さらに,PDF2遺伝子の新たなT-DNA挿入変異アレルpdf2-2の解析をすすめ,pdf2-1同様,atmll-1との組み合わせでは表皮欠損,atmll-2との組み合わせでは胚性致死の表現型を示すことを確認した。
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