Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
生殖細胞のなかでも、オスの精子幹細胞は唯一in vitroで増殖することができるほど自己複製能が高く、非常に安定に精子形成を支えることが知られている。しかし、「種の保存」という重大の役割を担うために必須であるこの自己複製がどのように制御されているのか、その機構は明らかとされていない。近年、造血幹細胞や神経幹細胞の自己複製に、ポリコームタンパクが関与していることが報告された。我々は精子幹細胞の自己複製にもポリコームタンパクが関与しているのではないかと考え、ポリコームタンパクによる精子幹細胞の自己複製(増殖)制御機構の解明及び標的遺伝子を同定することを目的とした。本年度の研究により、我々は正常ヒト胎児線維芽細胞を用いて、長鎖ノンコーディングRNAであるANRILが細胞増殖に重要な役割を果たすINK4遺伝子座の転写を抑制することを明らかとした。そのメカニズムとして、1)ANRILはポリコームタンパクと結合すること、2)ANRILはINK4遺伝子座へのポリコームリクルートメントを促進することを明らかとした。さらにANRILは、細胞老化を抑制することを見出した。また,p53がポリコームタンパクをINK4遺伝子座内にあるARF遺伝子のプロモータ上にリクルートすることを明らかとした。これらの結果から、ポリコームタンパクは精子幹細胞においても、長鎖ノンコーディングRNAやp53を介してINK4遺伝子座を抑制することにより、増殖を正に制御している可能性が考えられた。
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