世紀転換期ガリツィアにおけるナショナリズムの鏡像
Publicly Offered Research
Project Area | Comparative Research on Major Regional Powers in Eurasia |
Project/Area Number |
21101501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 悠 Hokkaido University, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教 (40507159)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2010: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ポーランド史 / ナショナリズム |
Research Abstract |
H21年度には、19世紀末から20世紀初頭のポーランドを主な研究対象とし、ロシア・オーストリア両帝国およびプロイセンによる分割支配と、ポーランド人その他の複数のネイション形成過程を検討した。分割以降、ポーランドは、「二重の帝国性」を体現する存在であった。ここでいう「二重の帝国性」とは、第一に、ポーランドに隣接する、ロシア、ドイツ、オーストリアの三帝国が、ポーランドに対して(ないしポーランドにおいて)示した帝国性をさす。そして、第二に、広大な東方領域に範囲を広げていたポーランド=リトアニア共和国時代に、ガリツィア、東方領域の民族集団(ウクライナ人、ベラルーシ人、ユダヤ人など)に対してポーランド自身が有していた帝国性、をさす。本研究は、この「二重の帝国性」が最も顕著に表出した地域の一つであるガリツィア(オーストリア領ポーランド)を舞台に、世紀転換期のロシア領およびオーストリア領の間で越境的に統合しつつあったポーランド・ナショナリズムと、ほぼ同時期に(やや遅れて)興隆し始めたウクライナ・ナショナリズムとの比較を行った。また、両者の発展過程において、どのような相互作用があったのかを検討した。具体的には、これまで研究しきたポーランド・ナショナリズムの代表的思想家であるロマン・ドモフスキが、1890年代後半に活動の場をロシア領ポーランドからガリツィアへ移した際に、ガリツィア・ポーランド人との間にどのような対立が生じたのか、また、そうした緊張関係が、ウクライナ・ナショナリズム登場によってどのように変化したのかを検討した。今年度は、ロシア領ポーランド出身の活動家やガリツィア・ポーランド人の政治家について、社会的背景や政治的目的の分析・整理を進めることができた。今後の課題としては、ウクライナ・ナショナリズムの生成過程・諸潮流の整理か残されており、来年度以降より詳細な検討をする必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)