Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、前年度に引き続き、光着衣電子および光着衣励起子の擬エネルギー構造の解析を行った。とりわけ、後者においては、Bloch周波数とTHz波周波数の比γに対する崩壊メカニズムの相違を理解することを目指した。光着衣電子に関しては、R行列フロケ理論を適用することによって、光着衣電子単体の問題を多チャンネル散乱問題に帰着して、駆動レーザーの強さに依存しない統一的方法が確立されている(前年度研究成果)。これによると、光着衣電子状態は、THz波強度が大きくなるにつれて、フォトンサイドバンド間のac-Zenerトンネリングを介してより短寿命で崩壊することが見出された。特に、最も特徴的な動的局在状態では、擬エネルギーが縮退した複数のフロケ状態がponderomotive結合を介して相互作用し、ファノ型の崩壊(動的ファノ共鳴)を引き起こすことが分かった。しかしながら、これらの崩壊寿命を示す有効状態密度(遅延時間スペクトル)の振る舞いは、上記の比γによって大きく異なることが新たに見出された。特に、γが整数と有理数とでは、フォトンサイドバンド間結合の強さの相違から、その振る舞いは全く異なる。さらに、結合が強いγが整数でも、γ=1の場合とγ>1を比較すると、前者のスペクトルは極めて複雑な共鳴構造を表すことが分かった。これは、γ=1の場合、フォトンサイドバンド間結合の強さが、光着衣電子のBloch運動量に依存して大きく異なるためであろうと推察している。また、γが有理数の場合でも、THz波強度に対して寿命が単調に減少する訳ではなく、振動的挙動を示すことも見出された。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (2 results) Book (1 results)
Solid State Communications
Volume: 151 Pages: 392-396
Phys.Rev.B
Volume: 82
120007137881
120007137926
Solid State Communications 149
Pages: 823-826
120007131555
Phys.Rev.A 80
120007131377
Journal of Physics : Conference Series 148