Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成21年度の研究では連星中性子星の合体の数値相対論シミュレーションを行い以下の事項の研究を行った。(1) ショートガンマ線バーストの中心動力源として、ブラックホールとそれを取り巻くディスクが考えられている。連星中性子星の合体によってブラックホールが形成される条件について、数種類の中性子星状態方程式モデルを採用して明らかにした。合体時の天体は回転しており、その遠心力によって、回転のない場合に比べて約30%ブラックホール形成の閾値となる質量が上昇することがわかった。これは過去の研究と無矛盾である。(2) さらに、ブラックホールの周りにディスクが形成される条件について、連星中性子星の質量比を変えたシミュレーションを行うことにより明らかにした。ショートガンマ線バーストを起こしうる大質量のディスクが形成されるためには、1:0.8程度の質量比が必要であることが分かった。以上の成果は論文にまとめ査読論文として出版されている。(3) 重力波は物質と相互作用することなく情報を我々に運ぶため、連星中性子星の合体からの重力波の観測はショートガンマ線バーストの中心動力源についての情報も運びうる。連星中性子星の合体によって放出される重力波の計算を行い、ショートガンマ線バーストとの関連について調べた。以上の成果は論文にまとめ査読段階にある。(4) 連星中性子星の合体時には、重力エネルギーが解放され熱エネルギーが生じ、ニュートリノが大量に放出される。有限温度の効果やニュートリノの効果について調べるため、新しい数値相対論コードを開発した。以上の成果は国際会議等で発表されている。
All 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results)
Physical Review D 80
Pages: 64037-64063