Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
超弦理論のホログラフィック原理を用いた計算によって、原子核物理の基礎的な多体量子力学の作用を導出した。クォークの力学を司る量子色力学は、結合が強く解析的な計算に困難があるが、超弦理論のホログラフィック原理を用いると、具体的な解析計算が可能となる。核子の多体系を表すセットアップを超弦理論で構築し、その有効作用を求めることで、核子多体系、すなわち原子核の基礎方程式を導出した。2核子系に応用したところ、実験的に知られている斥力芯を再現し、量子色力学からの斥力芯の解析的導出となった。また、3核子系に応用したところ、付加的な斥力が働くことが発見され、中性子星やヘリウム3原子核からの示唆と一致した。核子がフェルミオンであることも導出された。これらは、原子核物理を素粒子物理とつなぐ基礎となる。これらの研究成果は、国内外の研究会において招待講演の形で講演を行った。また、全国各地の大学において、セミナー形式で招待講演を行った。さらに、招待講義の形で、超弦理論の基礎から、本研究課題の研究成果に至るまでを講演した。研究成果は、量子色力学から原子核の基礎方程式を書き下したものであり、今後、多種多様な原子核の物理をいかにこの基礎作用が導出するか、研究の基礎となるものである。本研究成果の基礎作用を用いれば、超多体系としての重い原子核の集団的な運動や励起、殻模型などが、量子色力学にもとづいて基礎づけられる可能性がある。
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All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (9 results) Remarks (1 results)
Journal of High Energy Physics
Volume: 1010
Volume: 1011
Physical Review
Volume: D82
Progress of Theoretical Physics 122
Pages: 427-476
110007339486
http://ribf.riken.jp/~koji/Publication.html