Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
陽子や中性子など核子間に働く力(核力)をストレンジネスを含むように拡張したハイペロン力の理解は、中性子星の内部など高密度の原子核物質の性質を理解する上で欠かせない課題である。特に、観測されている中性子星の最大質量をハイペロン力に基づき、矛盾なく説明できるかどうかは、最近の大きな問題のひとつである。本研究では、ハイペロン力の性質を、量子色力学に基づく格子QCD計算からハイペロンポテンシャルを計算することによって調べた。さまざまなハイペロン核子系の中でも、実験データが比較的豊富で、その性質の理解が他のハイペロン核子系よりも進んでいるラムダ核子系に注目し、これと同じ量子数を持つ系のハイペロンポテンシャルを求めた。PACS-CSグループによって生成された2+1フレーバQCDのゲージ配位を利用し、比較的大きな空間体積(2.9fm^3)中での南部-Bethe-Salpeter波動関数を計算した。時間相関を利用してマルチハドロン系のポテンシャルを効率よく計算するための新しい方法を用いることにより、ラムダ核子ポテンシャル、シグマ核子ポテンシャルを計算することに成功した。得られたポテンシャルを適当な関数形でフィットすることにより、散乱長・有効距離並びに散乱位相差を格子QCDシミュレーションの統計誤差を含めて評価することに成功した。ラムダ核子系の相互作用はスピン三重項・一重項のいずれでも引力的あるのに対し、アイソスピン(I=3/2)のシグマ核子系では、スピン三重項状態では斥力となり、スピン一重項状態では、引力となる結果が得られた。今後は、非弾性チャネルを含む枠組みへの解析方法の拡張を進めていく予定である。
All 2012 2011 2010 2009
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
AIP Conference Proceedings
Volume: 1388 Pages: 628-631
PoS
Volume: LAT2011 Pages: 167-167
Proc.Jpn.Acad.
Volume: B87 Pages: 509-517
Nuclear Physics A 835
Pages: 176-183
International Journal of Modern Physics A 24
Pages: 2110-2117
PoS LAT2009
Pages: 152-152
Proceedings of the Sendai International Symposium Strangeness in Nuclei and Hadronic Systems
Pages: 150-155