Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
生体膜は究極の生体機能界面を構築する自己組織体ととらえることができ、生体の化学的多様性を制御する役割を担っている。すなわち生体のあらゆる仕組みを解明するために、生体膜の働きを理解することは重要であり、これには脂質二分子膜を天然に近い状態で自在に調製する手法が不可欠である。しかし、現時点では脂質二分子膜を平面上に作成する方法は確立されていない。そこで、本研究は高分子濃厚ブラシを利用した新たな方法で脂質二分子膜をアレイ状に再構築し、流動性に富む表面環境を利用した分子認識界面を創出することを目的とし企画された。平成22年度は前年度に調製法を確立した脂質膜アレイ表面上での分子認識特性について評価した。リン脂質DOPCに所定量(数パーセント)の糖脂質(ガングリオシドGM1など)を混合し、直径50ナノメートル以下の一枚膜リポソームを調製した。これをパターン化濃厚ブラシ基板に接触させ脂質膜アレイを形成させた。糖脂質を複合化が膜の形態に及ぼす影響を蛍光顕微鏡観察で明らかにした。続いて複合化した糖脂質に対し特異的に作用する分子(アナライト)を接触させ、調製した脂質膜上で特異的ならびに定量的な結合が得られるか評価した。さらに、ゲル液晶転移温度の異なる脂質からなるリポソームを別々に調製し、これらのリポソームを混合して基盤に接触させることにより、生体膜を模倣したラフト構造を有する脂質吸着膜アレイを調製することに成功した。
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Soft Matter
Volume: 6 Pages: 5937-5943
10030443025
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~t070053