Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
分子間相互作用では、タンパク質表面の側鎖原子が担っていることを考えれば、主鎖の運動ばかりでなく、側鎖の運動が重要となる。しかしながら、これまで側鎖運動を取り上げた研究は数少なく、それを表現・解析する方法は確立されていない。今年度は、タンパク質間相互作用に伴う側鎖の運動を観察する目的で、Barnase-Bastarのタンパク質間相互作用に伴う側鎖運動を分子シミュレーションで観察した。その方法は、粗視化モデルと共役したタンパク質モデルを用い、基本的にBarnaseの主鎖を結合状態の構造に固定し、Bastar側を主鎖がほとんど動かないが外部自由度は自由に動き、さらには結合状態と非結合状態の2状態のGoモデルを持つ粗視化モデルと共役させ、最終的にはHamilton exchangeによって粗視化モデルの影響を0に外挿した。その際に、実質的な結合速度を変化させ、その影響を見た。その結果として、結合速度が遅いほど、結合が結晶構造に見られる正しいパッキングになる確率が大きくなった。その中を解析すると、数多くの必ずしも長くない疎水性側鎖はサブナノ秒オーダーでは緩和せず、同一のロータマーに止まり、結合速度による影響は顕著ではなかった。しかし、小数の相互作用界面に存在する大型側鎖、Lys,Argや芳香環を持つアミノ酸の側鎖、がサブナノ秒程度の緩和時間で運動をして、結合に伴って最適なパッキングを探索する様子が観察された。これは、アミノ酸の種類、タンパク質上の位置による側鎖運動の依存性が極めて大きいこと、相互作用に伴ってそのロータマーがフォールディングと同様に、最適構造の収斂していくものとして理解されることが分かった。
All 2010 2009
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (3 results)
J.Chem.Phys.
Volume: 133
BIOPHYSICS 6
Pages: 27-36
130000248065
J.Chem.Phys. 132
Pages: 1341011-8