価数揺動自由度を持つスピンダイマー系の構築と制御
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
21110518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
後藤 貴行 上智大学, 理工学部, 教授 (90215492)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | スピンギャップ / 量子スピン系 / NMR / μSR / 価数揺動 |
Research Abstract |
旧来の量子スピン磁性体では反強磁性ダイマーが低温で一重項を形成し、これに外場を加えることで三重項状態が誘起され、さまざまな量子相転移が起こる。本研究では、このスピン自由度に加え、価数揺動という新しい自由度を導入することで旧来のダイマーでは見られないような新規な電子状態が期待される。さらにダイマーの中心部位に分子認識架橋サイトを付加し、そこへストッパー分子を認識(=結合)させることで、価数揺動自体を外場制御することが可能になる。これによって、本系を量子ビットとして利用できる発展性も内含される。このような可制御価数揺動ダイマー系を構築するには、まず、対称二核金属錯体の架橋部分に分子認識サイトを設置し、ストッパー分子を認識させる。これをカウンターアニオンと組み合わせて結晶化することで価数揺動ダイマー系が実現する。化学合成は連携研究者と共同で行い、予備実験として、既に一核、二核のいくつかの試料を合成している。我々は、これらの価数揺動ダイマー系の極低温における新奇なスピン状態のNMRとμSRによる合成および価数揺動制御を目指す。 本年度は、今年度は価数制御の準備として、単核[RuIII(fhea)_3]-merにおいて、メチル基とフッ素置換基の割合を変えた試料を作製し、^<19>F/^<13>C-NMRスペクトル・T1を測定した。その結果、フッ素置換基の個数によって、線幅やT1の絶対値及び温度依存性が著しくことなることがわかった。これは、電気陰性度の異なるフッ素置換基を導入することでRuの有効価数を微調整できたためであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)