Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
生細胞の中は、生体分子が細胞体積の20~40%をも占める、いわゆる分子クラウディング状態にある。このような直径わずか数十μm程度の空間内に様々な分子が高度に詰め込まれた状態においても、DNAやタンパク質などの生体高分子は、時空間的に高度に連携を取りながらその機能を発現していることは圧巻である。この細胞内システムを人工的なマイクロ・ナノ構造体を取り入れることで模倣して再現できれば、細胞内システムのより深い理解が進むだけでなく、新しい機能を創発できる可能性がある。本研究では、細胞もしくは核やミトコンドリアなどの様々な細胞小器官が有する「空間サイズ」に着目し、精密にサイズが制御されたナノ空間を人工的に作り出し、その中でのタンパク質機能を解析すると同時に、その機能を制御することを目指して行った。今年度は、シリコンマスターからPDMSにマイクロ・ナノチャンバーを転写したものを作製し、β-ガラクトシダーゼの酵素活性測定を行った。その結果、反応容器サイズの縮小に伴って酵素活性が低下する現象が数fLから500fL(直径が数百nmから10μmのチャンバー)程度までの間で広く観察された。このような微小空間においては、酵素分子のマイクロ・ナノチャンバー壁面への吸着の影響が考えられることから、吸着を防止する表面コーティングなどを施して同様の計測を行ったが、特に改善は見られなかったことから、単なる酵素分子の壁面への吸着ではなく、何らかの「サイズ効果」が関与していることを示唆する結果を得た。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)
The proceedings of μTAS 2009 1
Pages: 854-856