Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
試験管内分子進化法では、生物の進化戦略を取り入れ、10の10乗以上のバリエーションを持つ分子ライブラリーから、標的分子に親和性を持つものを拾ってくるので、理論上任意の標的に対するアプタマーをテーラーメイドに取得することが可能である。これまでに、数多くのアプタマーが報告されており、それぞれの標的分子としては色素分子、抗生物質、各種補因子やタンパク質まで実に多岐にわたる。我々は、これまで非天然分子の進化分子工学への適用や、進化分子工学と合理的設計法の融合によるアプタマーの更なる機能化を行ってきた。本年度は、「試験管内分子進化法によるテーラーメイド動的機能創発素子の創成」を目指して、ペプチド・アプタマーの開発を行った。まず、アゾベンゼンをアミノ酸の一種リジンに結合させた。この非天然アミノ酸を、ストップコドンをコードするトランスファーRNA(tRNA)に結合させた。一方、ストップコドンを含むランダム配列DNAに転写・翻訳のための配列を付加したテンプレートを調製した。このテンプレートとアゾベンゼン導入tRNAを混合し、無細胞翻訳系で、リボソーム・ディスプレイを構築した。標的分子としてはバイオテクノロジー分野で広く応用されるアビジンを選定し、アビジンに結合する光応答性ペプチドアプタマーを取得することを目指した。そのため、リボソーム・ディスプレイ系をアビジンと相互作用させた後、紫外線を照射することによりリボソーム-mRNA-ペプチドを回収した。回収した複合体はEDTAを加えて乖離し、mRNAだけを取り出し、逆転写PCRをし、また翻訳して同様な選別を行った。このような繰返しを5回行い、ペプチド配列を決定したところ、いくつか同一の配列が見つかった。そこで、その配列のペプチドを固相法で合成し、アビジンビーズとの相互作用を調べた。すると光に応答して吸脱着するペプチドが得られたことがわかり、当初の目的を達成することができた。
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Bioorg.Med.Chem.Lett.
Volume: 20 Pages: 2964-2967