Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
分裂酵母in vivoでの染色体セントロメア欠損アッセイを用いたこれまでの我々の解析は、そのような致死的状況下において機能が発揮されるようになる『染色体構築の多様性を生み出すRNAプログラム』が存在することを新たに示唆した。すなわち、セントロメアの破壊に応じて「ネオセントロメア形成」細胞と「テロメア融合」細胞が低頻度で出現するが、その相対頻度は細胞のRNAi機構の欠損によって劇的に変化するものであった。何らかの機能的なRNAi標的分子が、種分化や進化につながる大規模なDNA構築変化の高次生命現象を制御している可能性がある。本研究ではそのような限られた局面に働き出すRNA制御機構を明らかにし、生命の恒常性と多様性を両立させるメカニズムの解明を目指している。本年度はまず、RNAi変異株を用いて通常培養時にも潜在的な「テロメア融合」現象が起こっていないか、解析を加えた。そのためには鋭敏かつ正確な「テロメア融合」検出アッセイ系が必要であり、その樹立と条件検討をすすめた。未だ適切な手法と条件は見出されず、来年度も継続して条件確立に努力する予定である。また、RNAi変異株で見られるヘテロクロマチン領域の欠陥を細胞生物学的アプローチで解析した。RNAi変異はヘテロクロマチン領域のクラスター形成に影響することを見出した。また、セントロメア欠損時に特異的に生み出されるsiRNAの検出にも着手し、アッセイ条件の整備などを現在も継続して進めている。
All 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
Current Opinion in Microbiology 12
Pages: 616-622