Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
てんかんの原因のひとつとして、シナプス伝達の亢進が知られている。従って神経伝達物質の放出機構を明らかにすることは、てんかんの仕組みを明らかにする上で大変重要である。神経伝達物質は、シナプス小胞がSNARE系蛋白質の働きによりシナプス前膜と融合することで放出される。しかしながら、この膜融合反応がどのように調節されているか?は不明な点が多い。私どもは、SNARE制御タンパク質トモシンに着目して神経伝達物質放出の分子機構の解明に取り組み、これまでにトモシンが神経伝達に抑制的に働くことを明らかにしている。本年度は、トモシンのC末端VAMP様領域によるシナプス小胞のシナプス前膜への融合の素過程の調節機構を、SNARE系タンパク質を組み込んだ人工脂質膜による膜融合アッセイ系を用いて詳細に解析した。その結果、トモシンが膜融合反応の単純な抑制因子ではなく、Tail領域を介して膜融合を促進する活性があり、膜融合反応速度の調節をしていることを明らかにした。また、トモシンのN末端WD40リピート領域に結合する分子としてシナプトタグミンの同定に成功した。上述の試験管内再構成系および電気生理学的解析を駆使した結果、トモシン-シナプトタグミン複合体がCa^<2+>依存的にシナプス小胞の膜融合反応を抑制し、神経伝達物質の放出量を調節していることを明らかにした。このように本年度は、トモシンによる神経伝達物質放出機構の素過程調節機構について当初の計画以上の成果をあげることができた。
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The Journal of Biological Chemistry
Volume: 286巻 Pages: 6832-6843
Volume: 285巻 Pages: 40943-40955
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 339巻 Pages: 24-30
The Journal of Biological Chemistry 284
Pages: 12480-12490
http://www.med.kobe-u.ac.jp/membrd/