Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、神経シナプスにおける受容体リサイクリングのロジスティクス制御機構を、関連するタンパク質や脂質の役割を解析することにより明らかにすることを目標とした。今年度は、ポストシナプスにおけるLTPシグナルとprotrudinとの関係について特に詳細に解析した。その結果、(1)LTPシグナルのPKAおよびPKC依存的にprotrudinがリン酸化されることを明らかにし、またそのリン酸化部位を質量分析により同定した。(2)PKAおよびPKC依存的にprotrudinがRabllと結合することを明らかにした。(3)さらに野生型およびprotrudinノックアウトマウスにおいて、マウス海馬神経におけるLong-term potentiation (LTP)について電気生理学的解析を行ったところ、protrudinノックアウトマウスでLTPの減弱が有意に認められた。(4)また、FYVEドメインの結合脂質との関係について、マウス初代海馬神経培養系で検討した。FYVEドメイン結合脂質のノックアウトマウスでは、protrudinノックアウトマウスと同様のスパイン成熟異常が認められた。以上の結果より、protrudinはRabllを介するリサイクリング小胞輸送により、ポストシナプスにおいてLTPシグナル依存的に受容体をスパイン表面へ輸送し、シナプス増強に働くことがわかった。よって、protrudinは記憶・学習などの高次脳機能に重要な働きをしていることが明らかになった。またその機構にはFYVEドメイン結合脂質が関与していることが明らかになった。
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J.Biol.Chem. 284
Pages: 13766-13777
http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html