腫瘍血管における透過性亢進に関与する分子輸送のメカニズム及び病態の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
21113528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 あり 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60390803)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 血管新生 / 癌浸潤 / VE-cadherin / Arf6 / AMAP1 / ArfGEF / 透過性 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
血管新生は癌の悪性度進行の律速段階の一つと考えられている。疾患における血管新生の分子機序を明らかにすることが病態の理解と効果的な治療に繋がるものと思われる。腫瘍血管は、脆弱で透過性が亢進しているため、癌転移が生じやすく、薬剤到達が不利と考えられている。血管透過性はVEGF(vascular endothelial growth factor)によって誘導されるVE-cadherinの細胞内輸送の制御が重要な役割を担っている。しかしながら、進行癌における血管透過性の亢進とVE-cadherinの細胞内動態との関連には不明な点が多い。本研究期間では、以下の研究成果を得た。 1.GEP100-Arf6-AMAP1シグナルとVE-cadherinとの相互作用に関与する分子の同定 上皮細胞の浸潤形質獲得過程のモデルであるEMT(epithelial-mesenchymal transition)において、接着分子E-cadherinの裏打ち蛋白質p120cateninと結合し、E-cadherinのエンドサイトーシスを促進し、細胞間接着の消失に関与する分子EPB41L5は、VEGF刺激後VE-cadherinと共局在することが分かった。また、EPB41L5はVE-cadherinとp120cateninの結合を阻害すること、AMAP1とN末を介して結合することを明らかにした。これらの結果は、VE-cadherinの細胞内輸送にAMAP1/EPB41L5が関与する新たな制御機構があることを示している。 2.In vivoモデルマウスを用いた病的血管新生におけるGEP100-Arf6-AMAP1シグナルの解析 AMAP1とcortactinの結合を特異的に阻害するP4-TATペプチドは、失明の主要原因と考えられている加齢黄斑変性の病態モデル脈絡膜血管新生を有意に阻害することが分かった。AMAP1/cortactin複合体は、乳癌の浸潤性と相関し、また、VEGF刺激によって複合体形成が促進する。病的血管新生に、GEP100-Arf6-AMAP1シグナルが関与していることが明らかとなり、P4-TATペプチドが癌浸潤のみならず血管新生阻害の薬剤としての可能性があることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)