Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究課題においては、顕微鏡下で細胞から長大なクロマチンファイバーをインタクトな状態で単離する技術を確立するとともに、ここで得られたクロマチンファイバーに対し、光ピンセットを用いた一分子操作技術を応用し、物性計測および高次構造解析を行うことを目的としている。昨年度に引き続き、クロマチンファイバーを単離する溶液条件を同定すると共に、単離したクロマチンファイバーの高次構造について調べた。また、単離したクロマチンファイバーを観察視野内で固定する手法の開発にも取り組んだ。クロマチンファイバーを単離する溶液条件については、タンパクの酸化を抑制する溶液組成を選択することでタンパク同士の凝集を抑え、効率良くクロマチンファイバーを得る事ができることが確認された。ここで、ヒストンにGFPを組み込んだ組換え酵母を用いてクロマチンファイバー単離実験を行ったところ、単離して解きほぐしたゲノムDNA上において、ヒストンがあまり結合していない部分と多く結合してGFPの蛍光が強く観察される部分がそれぞれ分布しており、ヒストンに局在のあることを見出した。また、マイクロ流路チャンバー内におけるクロマチンファイバー固定については、ポリカチオンを修飾したビーズを流路内に分散させて配置することで、クロマチンファイバーをビーズに付着させ、ビーズ間に懸架させることで、全長300マイクロメートルにも及ぶクロマチンファイバーを直線状の形態のまま固定することを実現した。この固定法により、長大なクロマチンファイバーを観察視野内に留めたまま、流路内の溶液交換を行うことが可能となった。
All 2011 2010
All Journal Article (1 results) Presentation (4 results)
電気学会研究会資料バイオ・マイクロシステム研究会 BMS-10-002
Pages: 5-9