生殖細胞数制御による生殖幹細胞/ニッチ性分化・確立機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Regulatory Mechanism of Gamete Stem Cells |
Project/Area Number |
21116509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
中村 修平 基礎生物学研究所, 生殖遺伝学研究室, 特別協力研究員 (00510611)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2010: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2009: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 生殖幹細胞 / sox9 / メダカ / 性分化 / 形態・構造 / ニッチ |
Research Abstract |
生殖幹細胞とそのニッチの構造単位(GSCs/ニッチ)が、脊椎動物の生殖腺性分化過程でいつどのようなメカニズムで分化・確立するかは不明である。本年度、我々はXX-XYシステムにより性が決まるメダカを用い、生殖腺体細胞の細胞系譜を解析する過程で、GSCs/ニッチが含まれる組織構造(Germinal cradle)を脊椎動物の卵巣で初めて同定した(Nakamura, et al., 2010)。この構造自体は精巣のGSC/ニッチが存在すると考えられる構造とも酷似しており、ほ乳類精巣分化に必須のsox9bを発現する細胞で構成されている。そこでsox9bのGSCsニッチ性分化・確立機構における役割を明らかにするため、sox9b変異体を単離し、表現系解析を行った。sox9b変異体では生殖腺性分化時期より生殖細胞増殖・維持に異常が認められ、生殖細胞の数が雄雌ともに減少していた。またヘテロ個体の成体卵巣、精巣でも生殖細胞数の減少が見られ、さらにXX個体の一部は完全な精巣をもつ雄へ性転換していた。しかし、初期性分化マーカーの発現は変異体でも野生型と変わらなかったことから、sox9bは性分化ではなく生殖細胞維持に重要な働きをしていることが強く示唆された。以前我々は、生殖細胞が生殖腺に全くないメダカを作ると遺伝的にはXXであっても全て雄へと分化し(Kurokawa, et al., 2007)、逆に生殖細胞が過剰に増殖するメダカではXYのうち約半数が雌へと分化することを見いだしていた(Morinaga, et al., 2007)。これらのことからも、sox9b変異体のXX個体の性転換は、sox9bによる生殖細胞維持が異常になり、その結果生殖細胞数が減少した為に引き起こされたと考えられる(投稿中)。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)