Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
真核細胞は、一酸化窒素(NO)や過酸化水素(H_2O_2)等の活性窒素・活性酸素によるストレスを受けたときタンパク質合成が低下することが知られている。本研究では、この現象に関与する翻訳開始因子キナーゼ、ヘム調節キナーゼ(HRI)を対象として、その酵素活性調節の分子機構について研究を行った。1)HRIと活性酸素種との相互作用を検討するために、培養細胞(マウス赤白血病細胞、MEL)に対してH_2O_2を処理したところ、イムノブロット法によってHRIのタンパク質量が増加することがわかった。この原因については現在検討中である。2)ヒト肺がん細胞において見つかったHRI変異の酵素活性への影響を調べるために、大腸菌を用いて発現精製した組換えタンパク質を用いて、その酵素活性、基質親和性、ヘムによる阻害効果を調べた。その結果、変異によって、基質ATPへの親和性が増大し、触媒活性が上昇することが明らかとなった。3)HRIの立体構造を明らかにするために、ヒト、マウス、ラット及びゼブラフィッシュのHRI遺伝子をクローニングし、タンパク質の大量発現、精製を行った。ヘムを含まないアポ型酵素について、結晶化スクリーニングを行ったところ、ヒット条件が得られた。回折データを収集したものの、低分解能のため構造解析は難しく、分解能向上のため結晶化条件の最適化を行っている。最後に、一酸化窒素とヘモグロビンとの相互作用についても論文発表を行った(Igarashi et al.(2011)J.Biol.Inorg.Chem.16,599)。
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Journal of Biological Inorganic Chemistry
Volume: 16 Pages: 599-609
FEBS Journal
Volume: 278 Pages: 918-928
Journal of Medicinal Chemistry 52
Pages: 2060-2066
http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/1574b096d2e56102954b499022bff4e2.html