ATPおよびATPアナログの分光法による水和特性評価
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
21118505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森本 展行 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00313263)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ATP / ATPアナログ / 水和 |
Research Abstract |
本研究では、ATPおよびその水和状態変化の解析に有用と考えられるリン酸化合物を選択し、分光法によりその変化を追跡する。またタンパク質存在下での水和変化解析へ向けた展望を得るとともに、ATPアナログを用いたナノバイオマテリアルの設計指針を得ることを目的とした。誘電緩和分光測定およびその成分抽出法を用いた解析法によりリン酸、AMP、ADP、AMPの水和状態を評価した。この結果、リン酸とAMPではその水和特性に変化がないこと、またアデノシンに結合するリン酸数が増加するほどバルクの水の示す回転運動性よりも早い水(ハイパーモバイル水)が増加することを明らかとした。さらにATPの各荷電状態(pH3.2、5.5、8.0)での水和特性解析を行い、荷電数が増加するに従いハイパーモバイル水が増加することを見いだした。このATPの各荷電状態において水のPFG-NMR測定を行った。この結果、特に2価と3価の場合において自己拡散係数(並進運動性)がバルク水より高いことが示唆された。今後、この結果の再現性とともに回転運動性の高いハイパーモバイル水との相関についても検討を行っていく。一方でバイオマテリアル設計のため、疎水化リン酸基含有化合物の分散・集合体形成条件下の水和状態変化、核酸やホスホン酸など含リン酸ポリマーについてもその水和特性を明らかとした。また親水性環境下で回転運動性を検出し得るスペーサー、蛍光プローブを選択・調製し、アクチン周りの水分子の運動性を評価した。この結果、ATP存在下のアクチン重合により蛍光ブローブの回転運動性が増加することを明らかとした。同条件下における水のPFG-NMR測定でも並進運動性が増加することより、このプローブはタンパク質近傍での水和水の運動性に相関していることを示唆する結果が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)