Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ATPは生物共通の「エネルギー通貨」といわれ、ATPが加水分解する際の自由エネルギーの減少を利用して、通常は自発的には進行しない合成や能動移動などの生化学反応を可能としている。ATPの加水分解に伴う自由エネルギーの減少は、そのエンタルピーの減少に起因しているが、この変化の分子論的な機構はまだ解明されていない。また、pH・金属イオン濃度・温度などの条件に依存して、それらは大きく変化するが、まだ限られた溶媒条件でしか評価されていない。本研究では、昨年度に引き続き、等温滴定型熱量測定(ITC)を用い、イオン化エンタルピーの異なる多種類の緩衝液を利用することで、緩衝液によるエンタルピーを正確に補正し、水中でのATPの加水分解エンタルピーと、そのpH依存性およびマグネシウムイオン濃度依存性を実測する手法を確立した。その結果、ATPと金属イオンの結合に伴うエンタルピーについては、従来の実験値の修正が必要であり、今後さらに詳細な実験を行う必要があることが明らかになった。また、これらの方法では、幅広い温度でエンタルピー変化の温度依存性を正確に評価することは困難であり、反応前後の物質の熱容量とその温度依存性とを直接測定することが必要であることがわかった。
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All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)
Biochemistry
Volume: 50 Pages: 3116-3126
J.Mol.Recognit.
Volume: 24 Pages: 275-282
Proteins 77
Pages: 962-970
Bioorg.Med.Chem.
Volume: (in press)