量子化学計算による水溶液、及びタンパク質中のATPのプロトン親和性に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Water plays a key role in ATP hydrolysis and ATP-driven functions of proteins |
Project/Area Number |
21118512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Tohoku University (2010) Osaka University (2009) |
Principal Investigator |
高橋 英明 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10291436)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 自由エネルギー / QM/MM / 溶液の理論 / エネルギー表示 / 多体相互作用 / ATP / 密度汎関数法 / 電子交換汎関数 / 一様な電子ガス / 水素様原子の電子密度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多くのタンパク質の機能発現のエネルギー源であるATPの加水分解に伴う自由エネルギー変化を量子化学と分子シミュレーションの方法によって計算し、得られた自由エネルギー変化に対する水和の影響を定量的に明らかにすることである。ATP分子はそれなりの大きさを持つので、溶液中でその分子構造が顕著に揺らぐことが予想される。従って、我々がこれまでに開発してきた方法、つまりQM/MM-ER法を拡張することによって、溶液中で溶質の構造が揺らぐことによる自由エネルギーへの寄与を考慮する必要がある。本年度は、これを実施する為に以下に述べるような方法論の大幅な単純化を行った。溶液におけるQM系の電子密度の揺らぎは、QM-MM間の多体の相互作用に由来する。ところが、エネルギー表示の理論は、溶質-溶媒間相互作用が2体的であることを前提にしているので、これをエネルギー表示の理論の枠組みで計算するには工夫が必要である。新規な方法では分子の電子分極に関わる全ての相互作用の和をとり、これに一つのエネルギー座標を与えてエネルギー分布関数を構築する。この分布関数によれば、近似的な汎関数を用いることなく正確に自由エネルギーを定式化することが可能である。本方法のベンチマークテストとして、水の溶媒和自由エネルギーを計算すると、本方法が実験値を極めて良い精度で再現することが分かった。また重要なことに、この方法をベースにして分子構造が揺らぐ系へ式を拡張できる。現在、その為のプログラム開発を実行中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)