Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ATPは生体エネルギー分子として様々な生命現象に深く関わっている。LohmannによるATPの発見以来、ATPの物理学的諸性質とエネルギー利用の分子メカニズムの解明の重要性が認識されてきた。ATP加水分解エネルギーの利用者である蛋白質側から見ると、ATP結合の様式はその後のエネルギー利用の方法を決定する重要なファクターである。したがって、ATP結合様式を理解する事はATPからエネルギーを取り出す仕組みを理解する上で必須なステップである。本研究は、新規のATP結合タンパク質である小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)の解析を通して、蛋白質とATPの相互作用の全体像を理解し、生体内エネルギー分子としてのATPの理解に貢献するものである。VNUTは分泌小胞にATP等のヌクレオチドを輸送するトランスポーターであり、既存のATP結合タンパク質とは全く相同性がない。精製VNUTをリポソーム中に再構成し、人工膜電位を形成したところ、能動的なATPの輸送が見られた。この輸送は内側が正の膜電位によって駆動され、その活性に塩素イオンを必要とした。興味深い事に、ATPの輸送は2価金属イオンによって影響されなかった。2価金属イオン存在下ではATPは複合体を形成する。したがって、この結果はVNUTはATPとともに2価金属イオンも輸送している事を示唆している。実際Ca45を用いた輸送実験で、VNUTはATPとともにCaを輸送した。
All 2010 2009
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (4 results)
Biol Pharm Bull
Volume: 33 Pages: 1783-1785
Neuron
Volume: 68 Pages: 99-112
J Biol Chem.
Volume: 285 Pages: 26107-26113
The Journal of Biological Chemistry 284
Pages: 3507335078-3507335078