Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Research Abstract |
ATP加水分解における水和の寄与を明らかにするために,ATP加水分解過程を(1)ATPの水相から非水相への移動,(2)非水相でのATP加水分解,(3)非水相から水相へのADPとPiの移動,の3つに分割するモデルを仮定し,それぞれの熱力学量を測定することを目的とした. 〈水相-有機溶媒相間移動の自由エネルギー変化〉 まず,各種の有機溶媒をスクリーニングして,ATP,ADP,Piをよく溶かす(有機相/水分配係数2以上)有機溶媒系(高級アルコール+脂肪酸アミン)を見出だした.次に,上記の有機溶媒系を用いてATP,ADPとPiの水と種々の有機溶媒系間での分配係数の評価を行った.分配係数から,この有機溶媒系は,ATPに対しては水よりも高い溶解度を示すが,ADPとPiに対しては,水のほうが高い溶解度を示した,得られた分配係数より算出した過程(1)及(3)にあたるΔG^oはいずれも負の値になり,ATP加水分解エネルギーに対して,水和エネルギーが寄与していることと矛盾しない結果が得られた、また,特筆するべきこととして,脂肪酸アミン含有アルコールは,ATPを比較的取り込みやすいが,ADPとPiはむしろ水に放出する傾向があり,ATP分解酵素の機能を擬態するような性質をもつ溶媒系であるといえる.さらに,上記の溶媒に酢酸を添加することで,Mg^<2+>をキレートしているATP,ADPも取り込むことに成功した. 〈有機溶媒相でのATP加水分解自由エネルギー変化〉 上記(2)の過程を評価するためには,上記の有機溶媒系(少量の水が含有している)でのATP加水分解を測定し,反応系/生成系間の平衡定数を求める必要があるが,ATP加水分解が進行する条件を発見するには至らなかった.
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