Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は各種顔認知障害をもつ患者の顔の見え方を画像処理と心理物理学を組み合わせた新しい検査方法によって高精度かつ定量的に評価し,顔認知障害の病態を今までとは違った視点から明らかにすることである。モーフィング等の画像処理を行った顔画像に対する患者の反応を定量的に評価することで各種顔認知障害患者(相貌失認,パーキンソン病,顔の過小視)の各種顔認知能力(人物同定,男女弁別,人種弁別,表情弁別等)を多角的かつ詳細に検討した。その結果,臨床研究では両側紡錘状回・海馬傍回が人種弁別に重要な役割を演じていることと,顔表面の陰影が人種弁別の重要な手掛かりになっていることが示唆された。同様に,健常者を対象にした実験では人種の弁別は主に表面の凹凸を構成する低空間周波数成分,性別の弁別は主に輪郭を構成する高空間周波数成分により大きく依存していることが確認された。さらに,工学的視点から,照明方向と背景色が顔の印象に与える影響についての研究も行った。以上の研究成果については,MDPD2010,VSS2010,日本心理学会,日本デザイン学会,多感覚研究会等の学会発表を通じて広く社会に公表した。また,2010年5月には株式会社資生堂・吉川拓伸氏,ミネソタ州立大学兼京都大学こころの未来研究センター・Vinai Norasakkunkit氏を招いて研究者・一般向けの研究会を行った。日本心理学会では「神経心理学の新しい展望-社会的認知への仮説検証的アプローチ-」というタイトルでワークショップを行い,最新の知見を報告した。
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