Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
顔はヒトにとって特別な存在なので特化した顔中枢ができたのか(domain specific)、それとも顔はいつも見慣れているから中枢ができたのか(expertise)、結論は出ていない。以下の3つの実験課題を用いてsubliminal(識閾下)からvisual awareness(視覚的気付き)に関連した脳の中の顔プローブ(顔の特殊性を指し示す手がかり)を検討した。解析には128ch高密度脳波計を用い、時空間的な顔認知機構の流れを検討した。1)両眼視野闘争:「ヒトの顔と家」、「ヒトの顔とサル」、「サルの顔と家」を呈示し、「ヒトの顔」、「サルの顔」、「家」の「見え」に気付いた時の反応特性の違いを誘発α振動で検討した。心理実験では「ヒトの顔」>「サルの顔」=「家」という「ヒトの顔」の特殊性が示された。誘発α振動の観察では、「ヒトの顔」に気付いた時に事象関連脱同期を認めた。2)モルフィング顔画像:「サル→ヒトの顔」へのモルフィング画像観察中に「ヒトの顔」の「見え」に気付いた時の脳波γ振動あるいは顔が見えた時点でのERP(N170)を用いて脳内プローブを検討した。N170振幅は、「ヒトの顔」>「モルフィング画像」>「サル」であり、顔の倒立効果は「サル」で認めなかった。以上より、「ヒトの顔」の特殊性が窺えた。3)マスク刺激による先行視覚刺激(識閾下、閾上)の効果:識閾下では、N170は出現しないが、後頭部のN150成分が顔<物体であり、倒立顔ではその効果が消失した。意識に上らなくても、顔認知をしている可能性が示唆され、論文にまとめて報告した。以上より、「ヒトの顔」の特殊性が示されたので、domain specificかどうか更に検討する。
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Clinical Neurophysiology
Volume: 122 Pages: 1525-1533
Clinical Neuroscience
Volume: 28 Pages: 1156-1160
臨床脳波 51
Pages: 713-720
http://www.med.kyushu-u.ac.jp/neurophy/