Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
人間の人物同定過程において、多数のこれまでの研究は、顔のみ、もしくは声のみの情報処理過程を中心に進められてきた。本研究課題では、発話中の未知人物の顔(または声)を脳内に表象として学習・形成した後、別のモダリティである声(または顔)が与えられた場合の人物同定マッチング課題をもとに、マルチモーダルな人物同定情報を特定する研究を進めている。前年度までの研究成果として、XnAB課題(学習刺激Xがn回提示され、別のモダリティの人物AとBのどちらがXと同一人物であるかの判断)を行った結果、X=顔の場合のほうが、X=声の場合よりも正答率が高くなることが明らかになっている。ただし、nを1、3、5回と変化させた場合、学習回数による正答率の上昇傾向はみられていない。ここでは、Xを繰り返し提示することで、「学習されるモダリティでの情報もしくは表象の強化」が行われていると考えられるが、そのことによっては、マルチモーダルな人物同定は促進されないことが分かる。今年度はさらに、n(XAB)課題(学習刺激Xと別モダリティの人物AとBを組み合わせて、n回提示される条件)での人物同定判断を行った。結果から、XnAB課題と同様に、X=顔の場合のほうが、X=声の場合よりも正答率が高くなることが明らかになった。さらに、n(=1,3,5)の回数増加に伴う学習効果がみられることが明らかになっている。ここでは、XとABの組み合わせを繰り返し提示することで、「学習されるモダリティと、別のモダリティとの間の人物同定情報リンクの強化」が行われていると考えられる。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
Emotion
Volume: 10 Pages: 874-893