顔認知コミュニケーションの神経基盤の臨床神経心理学的検討
Publicly Offered Research
Project Area | Clarification of the mechanism of face recognition by interdisciplinary research |
Project/Area Number |
21119518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | パーキンソン病 / 筋強直性ジストロフィー / 相貌失認 / 表情認知 / 心の理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は顔を介したコミュニケーション能力の神経基盤を解明するため、認知症やパーキンソン病、筋強直性ジストロフィーなどの脳病変例を対象として顔認知障害の病態解明とその神経基盤を探ることであった。今年度は、パーキンソン病における心理推測過程について、情動的な心理推測過程に関する検討を行った。検討には「まなざし課題」と呼ばれる課題を用いた。この課題では、顔のうち目の領域だけを提示し、視線から他者がどのような心的状態にあるかを推測する。顔の知覚過程に関する対照課題として性別判断課題を、選択肢の単語に関する意味理解を測る対照課題として語彙判断課題を行った。結果として、パーキンソン病例では健常者に比べ、まなざし課題における成績低下がみられた。この結果は語彙能力や視知覚機能の低下からは説明されず、これまでの検討では確認がされていなかったパーキンソン病における心理推測に特化した困難が明らかとなった。 また、相貌認知機能について左右半球の関与に関する検討を行うため、顔弁別が困難となる相貌失認症例を対象として症候の解析および剖検による病巣の精密な特定を行った。結果として、我々が検討した症例では側頭後頭葉に病巣をみとめたが、右半球病変が病歴上生じるまでは相貌認知障害は発症していなかった。すなわち、相貌認知障害に左半球の関与は認めなかった。これまでに相貌失認が生じる病巣については諸説あったが、今回の検討からは相貌に関する処理が右半球有意であることを支持する結果が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)