Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
サンゴ礁には様々な生物群集が生息し、それらは海岸とほぼ平行に帯状に分布している。この帯状分布は、岸から沖にかけての様々な物理・化学的な環境パラメータの勾配によって形成されていると考えられるが、その詳しい成因やメカニズムについてはまだ良く分かっていない。この環境勾配に伴ったこの空間的な群集の遷移メカニズムを理解することは、環境変動による時間的な群集遷移を理解する上でも重要である。そこで、本研究の目的は、サンゴ礁群集の帯状分布が、どのような物理・化学条件によって形成されるかを明らかにすることである。前年度は、今回サンゴ礁群集の分布がどのような環境パラメータによって規定されるかを検討するため、石垣島白保サンゴ礁域で礁を横断しながら海岸から50m~1000mまでを50m間隔で計6回採水を行い、温度、塩分、pH、アルカリ度および栄養塩類(全窒素、全リン、硝酸、亜硝酸、リン酸など)を測定した。また、平衡計算によりその他の炭酸系パラメータ(全炭酸、アラゴナイト飽和度、CO_2フガシティーなど)も求めた。本年度では、前年度に加えて、人為的な汚染が進んでいる轟川河口域にも測線を追加し、両測線のベルトトランゼクト法による群集調査と、両測線上50m間隔での採水を夏季4回、冬季4回行った。それらの結果、サンゴ礁生物群集は岸から沖に向かって帯状構造が確認されると供に、水温・塩分・栄養塩濃度等の環境パラメータは岸沖方向に明らかな勾配が生じていることが確認された。そこで、それらのデータを基に群集被度と環境パラメータとの関係を比較し、一般化線形モデルを用いて群集被度を環境パラメータの関数としてモデル化した。モデルにより再現された群集被度分布は、実際の被度の分布パターンを概ね良く再現することが確認された。
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