Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
サンゴの白化現象は海水温、光、塩分濃度など様々な要因が複雑に絡み合った様々な要因が複雑に絡み合った「複合ストレス」で引き起こされる事が示唆されている。複合ストレスを理解する為には、まず「単一」のストレスでのサンゴの応答メカニズムを解明する事から始めるべきだと考えた。本研究では白化現象の最大の要因であるとされる「海水温の上昇」に注目し、サンゴの熱ストレス応答を分子レベルで詳細に明らかにする事を目的とする。実験材料として、沖縄に普通に生息しゲノムプロジェクトが進行中で分子レベルでの研究基盤が最も整っているサンゴ、コユビミドリイシを用いる。22年度に、熱ストレスを与えたサンゴと与えてないサンゴで、cDNAマイクロアレイによる遺伝子発現の違いを網羅的に解析した。その結果、ストレスにより発現の変動する遺伝子(全遺伝子の約4%)を突き止めた。これら遺伝子群から、熱ストレスにより影響を受けているサンゴの代謝系(DNA修復系やタンパク質分解系など)が明らかになった。一方で、共生している褐虫藻の遺伝子発現の変化は、特に検出出来なかった。このことから、熱ストレスは「ホスト」であるサンゴの方に影響を与えている可能性が示唆された。さらに、改良されたコユビミドリイシ・ゲノムの遺伝子モデルセットを元に、cDNAマイクロアレイの再設計を行い(2×108kから4×44kへアップグレード)、マイクロアレイ解析にかかるコストを半分に減らす事が出来た。これにより網羅的遺伝子発現解析がさらに容易になり、今後のサンゴの分子レベルでの研究がより発展することが期待される。
All 2011 2010 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (8 results)
PLos ONE
Volume: (In press)