Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
東京大学総合研究博物館に大量に保管されている同大イラク・イラン調査団が1965,66年にイラク北部のテル・サラサート遺跡Ⅰ号丘、Ⅴ号丘の調査で発掘したニネヴェ5期(前3千年紀前半~中頃)と古バビロニア時代(前20~18世紀)の土器資料の整理分析を研究の主眼とする。これらの二つの時代の土器文化の様相は未解明であり、これら保管資料を整理し多方面から分析し、同時代の土器編年の確立と文化様相の解明を行う。整理分析の成果を近年のイラクの他遺跡の調査で出土した資料と比較・再検討し、北メソポタミアにおける二つの時代の正確な編年の構築を目指す。
東京大学総合研究博物館6階に保管されているイラク・テル・サラサート遺跡Ⅰ号丘、Ⅴ号丘の第四次発掘調査で出土したニネヴェ5土器(前3000年紀前半)と古バビロニア土器(前2000年紀)の未公表資料の整理・分析を行った。Ⅴ号丘のニネヴェ5土器の研究調査では、既刊の報告書では出土土器は全て同一時期に伴ったものと見做されていたが、上層と下層から出土した灰色・刻文土器群の形式には歴然とした差異が認められ、明らかに時期差を示していることが判明した。特に上層から出土した土器群は研究代表者が設定した「初期削文期」に伴うことが実証できた。さらに未公表資料の中には、公表された彩文・刻文土器とは異なる新しい様式のものが数多く認められた。整理分析した全ての彩文・刻文・素文土器の実測・写真図版を作製した。来年度には出版を計画している。Ⅰ号丘の古バビロニア土器資料の整理分析での最大の成果は、同時代では類例のない王墓クラスと推測される地下式墓の正確な年代を提示できたことである。第一層の埋葬遺構から出土した土器は、研究代表者が以前調査したシリア・テル・タバン遺跡の古バビロニア時代の粘土板文書と共に出土した土器群に酷似していることから、テル・タバン土器編年のOB期①(前19世紀初頭)に相当することがわかった。出土土器をさらに詳細に整理分析し、他遺跡の出土品と比較することにより同時代の正確な土器編年を提示することが可能になった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)
都市文明の本質:古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究
Volume: 5 Pages: 35-49
Proceedings of the 12th International Congress on the Archaeology of the Ancient Near East
Volume: 1 Pages: 547-558
Volume: 3 Pages: 71-83
オリエント
Volume: 64-2 Pages: 266-266
Volume: 3 Pages: 46-61