Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
原始惑星系円盤をはじめとする降着円盤系において、小さなスケールの現象を解像しつつ大局的な効果を組み入れるための新しい数値実験のための実用的枠組み「円柱シアリング箱」モデルを完成させ、降着円盤での磁気乱流、円盤風の質量流束、円盤風による角運動量抜き取りと質量降着の4 者の間の関係を、第一原理的な計算により定量的に明らかにする。速度、密度、磁場といった物理量を平均量と摂動量に分けて対応する。降着や定常的な円盤風といった、ゆっくりした時間変動の小さな現象を反映する平均量には、これまで通りの境界条件を適用する。一方、摂動量には改良を加え、実用的な理論的枠組みの構築を目指す。
2021年度から引き続き、円柱シアリング箱による磁気流体数値実験コードの開発、改良に取り組んだ。2022年度後半にようやく初期の科学成果が得られ出し、下記の内容に関する論文を現在執筆している。その内容は、本研究で開発した開発したシミュレーションコードを用いて、磁気回転不安定性により励起される磁気乱流を詳細に解析し、従来のデカルト系のコードとは本質的に異なる磁場増幅の状況を見出したというものである。具体的には、磁場の発展方程式の各項を円柱系とデカルト系の数値実験データにおいて詳細比較することにより、円柱系では圧縮項が差動回転による磁力線の引き延ばし項と同程度効果的に寄与していることを発見したというのが、主要な成果である。デカルト系では、圧縮項は膨張による磁場の希薄化として働いており、磁場の時間発展の様相が質的に異なっていることを示し、円い円盤を適切に解ける円柱系での精査が必要不可欠であること物語っている。円柱系での圧縮項の寄与の原因として、デカルト系では考慮することができないエピサイクル振動数の空間変化(具体的には動径位置への依存性)に起因していることも突き止めた。さらに圧縮項の寄与に起因して、突発的な磁場増幅と減少が間欠的に起きることや、磁場が強く密度が低い(あるいは逆に弱磁場高密度)領域が縞模様にできることも判明した。宇宙における様々な降着円盤系において、磁気活動に起因すると推察される間欠的な爆発現象や、円盤内の微細構造も多数観測されており、本研究で得られつつある成果は、これら様々な観測を統一的に説明できる可能性を秘めている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 4 results) Presentation (1 results) Remarks (2 results)
The Astrophysical Journal
Volume: 944 Issue: 1 Pages: 38-38
10.3847/1538-4357/acadda
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 520 Issue: 1 Pages: 418-436
10.1093/mnras/stad103
Volume: 931 Issue: 1 Pages: 37-37
10.3847/1538-4357/ac66d7
Volume: 938 Issue: 2 Pages: 126-126
10.3847/1538-4357/ac91c8
Volume: 941 Issue: 1 Pages: 73-73
10.3847/1538-4357/ac9eb1
Astronomy & Astrophysics
Volume: 658 Pages: A184-A184
10.1051/0004-6361/202142354
Volume: 506 Issue: 1 Pages: 1284-1294
10.1093/mnras/stab1809
https://ea.c.u-tokyo.ac.jp/astro/Members/stakeru/index.html
https://ea.c.u-tokyo.ac.jp/astro/Members/stakeru/