Theoretical study about circumstellar disks and protostellar jets
Publicly Offered Research
Project Area | A Paradigm Shift by a New Integrated Theory of Star Formation: Exploring the Expanding Frontier of Habitable Planetary Systems in Our Galaxy |
Project/Area Number |
21H00046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
町田 正博 九州大学, 理学研究院, 准教授 (10402786)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 星形成 / ジェット / 原始惑星系円盤 / 惑星形成 / 磁気流体 / ファーストスター / ブラックホール / 初期宇宙 / 星周円盤 / 磁気流体シミュレーション / 原始星ジェット |
Outline of Research at the Start |
スーパーコンピュータを用いて、星形成の母体である分子雲コアを初期条件として、重力崩壊するコア中で原始星が誕生し、その後、原始星周囲で円盤が成長してさらに惑星が誕生する段階までのシミュレーションを行う。その後シミュレーション結果の観測的可視化を行い、大型望遠鏡の観測結果と比較する。シミュレーションと最新の観測結果を比較しながら星と惑星の誕生シナリオを構築する。初年度にスーパーコンピュータを導入し設定を行う。同時に数値計算コードのチューニングも行う。その後、星形成の大規模シミュレーションを実行し、結果をALMA望遠鏡などの観測と比較する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
星形成後期段階の長時間シミュレーションを行うため、専用ベクトル型スーパーコンピュータ SX-Aurora TSUBASAを購入して計算を行った。先ず、以前まで使用していた我々の3次元非理想磁気流体多層格子法の計算コードを購入した計算機で計算が出来るように数値コードの書き換えを行った。その後、複数のテスト計算を行いシミュレーションの高速化を行った。その結果、一世代前の計算機と比較して同程度の計算が8倍程度高速で計算できるようになった。この計算コードを用いて、最初に初代星形成の計算を行った。 初期宇宙では非常に弱い磁場が存在していることが分かっている。また、初代星形成の母体であるミニハローは角運動量を持っている。そのため初代星形成後、初代星周りに円盤が形成し、その円盤が重力不安定によって分裂して多重星になることが数多くのシミュレーションによって示されている。しかし、過去の研究では磁場の効果を無視していた。実際、初期宇宙の磁場は非常に弱いため無視するという近似は問題無いと考えられていた。 この研究では、初期に非常に弱い磁場を持つミニハロー内部での初代星形成のシミュレーションを行った。その結果、最初の原始星形成後に分裂がおきて複数の原始星を形成する。これら原始星の軌道運動と自転運動によって磁場は10-100年以内という非常に短い時間で10桁以上も増幅することが分かった。増幅後は、磁場による角運動量輸送のため、分裂片が中心星に合体するが、増幅された磁場は維持されるため磁気制動によって星周円盤は成長しないことが分かった。従って、初期に磁場が非常に弱い場合でも、原始星形成後に磁場が急増幅し磁場の効果によってガスは原始星に直接降着することが分かった。このような原始星は質量を増加させ、最終的には巨大ブラックホールになると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、星形成計算専用のスーパーコンピュータを購入し大規模計算を行うことを予定していたが、予定通り計算機の購入を行った。ベンダーの方々と数回にわたり打ち合わせや見積りなどを行い、計算機は8月に納入された。 納入後は計算機の設定を行い、今まで我々が使用していた計算コードを書き換え購入した計算機で計算が実行出来るようにした。その後、計算コードの高速化も行い、年度内にプロダクトランを実行することが出来た。また、最初の計算として初代星形成のシミューションを行った。この計算はいくつもの異なるパラメータでシミュレーションを実行する必要があるが、テストのため典型的なパラメータを採用したところ以前の計算機と比較すると遥かに短時間で計算が終了した。 その後、これまでに開発してきた様々な計算コードを書き直し、購入したスーパーコンピュータで計算が出来るようコードを書き換えた。そのため、今後これまで行ってきた計算の長時間進化計算が可能となる。 現在は、磁気双極拡散による円盤形成の計算を行っており成果が出つつある。このように研究は計画通りにおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度に購入した専用スーパーコンピュータを用いて、星形成の研究を行う。最初に、まず褐色矮星形成の研究を行う。我々は以前、褐色惑星が小質量星と比較してより小さな分子雲コアで誕生することを提案した。しかし、当時は計算機の性能が十分ではなかったため、原始星周囲1天文単位にシンクセルを用い、原始褐色矮星は空間的に直接分解はしていなかった。 2021年度に購入したスーパーコンピュータは一つ前の世代のSX-ACEと比較して8倍程度高速で計算出来るようになった。褐色矮星の形成の研究はさらに以前のSX-9で行っていたため、当時と比較して10倍以上高速で計算が実行出来る。そのため、シンクセルを用いず原始褐色矮星を空間的に分解しても、新しい計算機であれば十分長時間進化の計算が出来ると考えられる。 今後の研究では、先ず褐色矮星の形成を原始褐色矮星を空間分解して行う。褐色矮星はガス雲、またはインフォ―リングエンベロープの質量が少ないため、主降着段階終了時までの進化計算が可能だと考えられる。星形成の理論計算分野で、シンクセルを使用せず、原始星を分解して、原始星ジェット、低速アウトフローを考慮して主降着段階終了時までの長時間計算を行った例は存在しない。この研究によって、初めて、全ての空間スケールからのフィードバックを考慮した星形成過程が解明されると考えられる。 最初は褐色矮星の計算を行うが、有限時間内に計算が終了するようであれば、低質量星形成の計算も行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)