Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は,スイス・ポールシェラー研究所の世界最高強度の直流ミュー粒子ビームを用いてニュートリノレスミュー粒子崩壊μ→eγを探索することで,大統一やバリオン生成の証拠を実験検証し,ニュートリノに秘められた物理の全貌解明を目指す研究である。特に,その際の最重要課題である極低物質量で構成された飛跡検出器を用いた超高計数率下の陽電子飛跡再構成手法を機械学習などの新しい手法を取り込みながら開発し,従来の探索感度を10倍改善する探索を実現する。
本研究課題では,大統一やバリオン生成の機構といったニュートリノに秘められた物理の全貌の解明を目指して,荷電レプトンのフレーバー非保存現象の一つであるμ→eγ崩壊を世界最高感度で探索する実験を行った。当該年度は以下の成果を達成した。(1)前年度に取得したデータを詳細に解析し,μ→eγ崩壊探索用の統計解析手法を確立した。ドリフトチェンバーの系統誤差を調べ,アライメントを改善することで検出器の理解を深めるとともに分解能および検出効率を改善した。μ→eγ崩壊探索解析では検出器の応答と背景事象分布の理解が重要となる。応答に関しては各変数の分解能だけでなく,変数間の相関を実データを用いて分析し,最尤法に使う多次元確率密度分布関数に反映させた。背景事象の見積もりは信号領域を隠したブラインド解析を実施し,時間またはエネルギーが信号事象とはずれた領域のデータを用いることでシミュレーションに頼らずに求めた。データ収集期間中に観測した崩壊陽電子数を数えることで実効的な統計量を見積もり,背景事象の見積もりと合わせて実験感度を見積もった結果,8.2×10^-13の感度となる見込みである。解析準備をほぼ完成させ,パブリッシュに向けて最終的な解析プロセスを開始するところまで進めた。(2)前年度のパイロットランの経験を踏まえて長期的な安定データ収集を実現した。ビームタイムの開始後,迅速にコミッショニングを完了させ,7月から11月にかけて4か月間データをためた。その間,現地ポールシェラー研究所に滞在し,検出器やデータ収集システム・オフライン解析システムを常時モニターしながら確実なデータ収集を実現するとともに,検出器の較正を迅速に行い,DAQへとフィードバックをかけてデータ収集効率を上げながら実験を遂行した。これにより前実験の感度を約2.5倍上回る世界最高感度に達するデータ取得に成功した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (6 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
Volume: 1047 Pages: 167740-167740
10.1016/j.nima.2022.167740
Volume: 1046 Pages: 167751-167751
10.1016/j.nima.2022.167751
NIM A
Volume: 1046 Pages: 167736-167736
10.1016/j.nima.2022.167736
Volume: 1041 Pages: 167314-167314
10.1016/j.nima.2022.167314
Symmetry
Volume: 13 (9) Issue: 9 Pages: 1591-1591
10.3390/sym13091591
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