Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
素粒子の標準模型には「何故、ニュートリノの質量は、他のクォーク・レプトンに比べて遥かに小さいのか?」などの謎が存在する。これらの謎は標準模型を超える新しい物理の存在を示唆する。そこで新しい物理の解明を目指し、大統一理論に注目する。特にニュートリノの極微質量を可能なシーソー機構を内包する SO(10) GUTを中心に、ニュートリノ極微質量と陽子崩壊の相関を調べる。得られた相関により、ニュートリノ振動等の測定と陽子崩壊探索の組み合わせによる GUT の全容解明を目指す。さらに、GUT において統一される湯川結合行列の世代構造の解明につなげ、ニュートリノ実験を通じて検証可能な新たな予言を行う。
くりこみ可能なSUSY SO(10) GUTの枠組みで、クォーク・レプトン質量やCKM、PMNSをfine-tuning無しで再現できる最小setupである10、126、120表現Higgsを用いた模型について、dim5陽子崩壊が抑制される条件を求めることに成功した。さらに、ニュートリノの質量階層性について、順階層が予言されることを示した。また、タイプ1シーソー機構が働くときにレプトンセクターのCP位相やニュートリノの質量階層性などのニュートリノ物理と陽子崩壊の相関はほぼ無いことがわかった。また、SUSY flipled SU(5)xU(1) GUTについても、最小setupの模型を構築し、陽子崩壊モードについて調査をおこなった。その結果、dim5陽子崩壊の部分巾がミニマルSU(5)の1万分の1程度に抑制されることがわかった。さらに、標準模型の湯川結合を正しく再現する条件から、dim5陽子崩壊において、「支配的なモードは p → K^+ nuである」、「p → pi+ nuの部分巾が、p → K^+ nuの10%から20%程度になる」、「フリーパラメータの値によっては、p → K^0 mu^+, p → K^0 e^+の部分巾が、p → K^+ nuの10%を超えることもある」ことを明らかにした。また、クォーク・レプトンの世代構造について、ニュートリノは他のクォーク・レプトンに比べて非常に軽く、世代間の質量階層性が小さいという特徴がある。そこで、ニュートリノは世代間で質量がおおむね等しいという原理があると考え、ニュート リノ質量行列の各要素を、数学のランダム行列理論を用い解析した。その結果、3世代のニュートリノの質量の2乗差について、タイプ1シーソー機構の場合が実験と最も合うことを明らかにした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 4 results) Presentation (4 results) Remarks (1 results)
JHEP
Volume: 02 Issue: 2 Pages: 148-148
10.1007/jhep02(2023)148
PTEP
Volume: 2 Issue: 2 Pages: 1-10
10.1093/ptep/ptad010
Journal of High Energy Physics
Volume: 2022 Issue: 1
10.1007/jhep01(2022)061
Physical Review D
Volume: 105 Issue: 1
10.1103/physrevd.105.015018
https://sites.google.com/view/naoyukihaba/