Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、令和4年に実験を開始するLHC-FASER実験において右巻きニュートリノ探索を可能とすることである。これには、高精度の2光子識別能力をもつ光検出器(前段シャワー検出器)の開発が最大の課題である。本研究では、前段シャワー検出器プロトタイプのための「インターフェース基板の開発」、「試験用データ収集システムの開発」、「前段シャワー検出器プロトタイプの性能評価」、「右巻きニュートリノの探索感度の研究」に取り組む。
FASER実験は欧州原子核研究機構(CERN)に設置されてある大型ハドロン加速器(LHC)を用いて、MeVからGeV程度の質量を持つ新粒子を探索するための実験である。FASER実験のカロリメータは細分化されておらず、右巻きニュートリノのように新粒子が複数の光子に崩壊した場合、それらを分離して捕らえることができない。本研究者は、2光子を分離するための前段シャワー検出器の開発を目指している。この検出器にはSiGe技術を用いたモノリシック型ピクセル検出器を使用する。ピクセル・センサーへ制御信号を転送し、センサーからの信号を読み出すために、センサーとワイヤーボンドで接続されるフレキシブル基板(モジュール用基板)を使用する。そして、モジュール基板と読み出しシステムを接続するために10~40cm長のフレキシブル基板(信号転送用基板)を使用する。2023年度は、前段シャワー検出器の実機に使用するためにこれらフレキシブル基板の開発を行った。それに加え、モジュール基板に電源を供給するための基板の開発も行った。2023年度前半は、以前作成したプロトタイプ・センサー用のモジュール基板を用いた最終試験に取り組み、修正すべき点を洗い出した。そして、2023年度後半はジュネーブ大学と協力して基板の設計を行い、実機に必要となる枚数分を製造した。今後、この基板を用いて実機ピクセル検出器を作成し、性能評価に取り組む。そして、2025年春に前段シャワー検出器をFASER実験に導入する予定になっている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022 2021 Other
All Int'l Joint Research (4 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 5 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results) Remarks (4 results)
Physics Letters B
Volume: 848 Pages: 138378-138378
10.1016/j.physletb.2023.138378
Physical Review Letters
Volume: 131 Issue: 3 Pages: 31801-31801
10.1103/physrevlett.131.031801
Journal of High Energy Physics
Volume: 2023 Issue: 11 Pages: 1-18
10.1007/jhep11(2023)056
Phys. Rev. D
Volume: 104 Issue: 9 Pages: 091101-091101
10.1103/physrevd.104.l091101
Journal of Instrumentation
Volume: 16 Issue: 12 Pages: P12028-P12028
10.1088/1748-0221/16/12/p12028
https://faser.web.cern.ch/index.php/
https://faser-japan.org/
https://faser.kek.jp/