Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
12C標的にK-中間子ビームを照射し、陽子を測定する12C(K-, p)反応を用いる。ビームラインスペクトロメータでK-ビームの運動量を、KURAMAスペクトロメータで散乱陽子の運動量をそれぞれ測定する。加えて、独自に開発した標的内蔵型のTime Projection Chamber「HypTPC」を用いて、崩壊荷電粒子を同時検出する。この反応では、12C標的中で起こるFragment反応を通じて、K-pp核、K-ppp核が生成されると考えられ、本研究では、それぞれΛ+p、Λ+p+p をHypTPCで測定し、その不変質量を求めることで、K-pp 核及びK-ppp 核を探索する。
2022年度は、2021年度に取得した実験データのデータ解析を実施した。キャリブレーション用に取得したHyperonスペクトロメータ用電磁石ON/OFFの状態でのBeam Through及び、多粒子トリガー(4つ以上の荷電粒子が生成したイベントを選択するトリガー)のデータを用いて、HypTPC検出器の位置のキャリブレーションを行なった。その上で、Beam Throughデータの解析を実施し、ビームラインスペクトロメータで算出されたビーム運動量とHyperonスペクトロメータで算出された運動量の比較することで、Hyperonスペクトロメータの運動量分解能を評価した。また、キャリブレーション用に取得したCH2標的のデータ解析も進め、HypTPCでΛ粒子の崩壊事象(Λ→ pπ-)及び、Ξ粒子の崩壊事象(Ξ-→Λπ-)を不変質量分布から同定することに成功した。Λ粒子やΞ粒子の質量分解能は、デザイン値にはまだ到達できていないが、今後解析を改善して、分解能を向上させていく予定である。分解能が十分な値に到達できれば、ダイヤモンド標的の物理データの解析を実施し、Λp及びΛppの不変質量分布からK-pp及びK-pppといった小数系のK中間子原子核生成の評価を行う予定である。これらの内容について、国内外の研究会で口頭発表をおこなった。また、研究予算を用いて、Hyperonスペクトロメータの維持管理、メンテナンスをおこなった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Presentation (12 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results, Invited: 4 results)