Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
バルクのハイエントロピー合金を原料とする液中レーザーアブレーションによるトップダウンプロセス、そして有機金属錯体を原料とするレーザープラズマ融合によるボトムアッププロセスの両輪によってハイエントロピー合金ナノ粒子を作製する。従来の1000倍のパルス繰り返し(1 MHz)が可能なピコ秒レーザーを用いて収量の少なさを克服する。トップダウンではバルク原料の組成を保持しつつ粒径分布の制御を試みる。ボトムアップでは有機金属錯体を原料に組成を制御したハイエントロピー合金ナノ粒子の作製を試みる。さらに界面の利用やレーザー波長によって粒子物性制御や反応性の向上を試みる。
液中レーザーアブレーションでは通常用いることのない紫外光ならびにパルスの重ね打ちによって,等モルFeCoNi ミディアムエントロピー合金(MEA)試料からNiリッチのFeCoNi MEAコアかつFeをシェルとするナノ粒子からなる長鎖構造を得ることに成功した.原料は電着により用意し,超純水中で紫外ピコ秒パルスレーザー(355 nm,15 ps,600 kHz)を集光掃引照射してナノ粒子を作製した.得られたコロイドには直径約50 nmのナノ粒子が形成する10 μmを越える長さの鎖状構造が観測された.ナノ粒子の組成が原料と異なる原因は,まず紫外多光子過程でそれぞれの金属イオンが生じ,さらにNiの還元が優位になったためと推定した.また,コアシェル様構造の形成は液中レーザーアブレーションの特徴である極めて高速な昇温かつ冷却過程におけるFeの析出とCoならびにNiの拡散が原因であると考えられる.鎖状構造は吸引濾過による機械的衝撃を与えても壊れず,同一条件で純Feをアブレーションすると粒径分布の広い球状粒子が生成するが鎖状構造は全く見られない.一般に金ナノ粒子などでは電気双極子-双極子相互作用により弱い鎖状構造を形成することが知られているが,本実験条件ではそのような要因は考えられない.液中レーザーアブレーションでは粒子ならびに気泡によるレーザー光の散乱によって収量が減少することを避けるのが常識である.そのため通常は紫外線を用いず,レーザーパルスを同一箇所に照射することはない.レーザー出力ならびに照射時間依存性,そして照射の掃引速度依存性を検討した結果,鎖状構造は試料表面への紫外レーザーの重ね打ちによる溶融で生じた強固なものであると結論した.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Alloys and Compounds
Volume: 950 Pages: 169896-169896
10.1016/j.jallcom.2023.169896
Chemical Physics Letters
Volume: 802 Pages: 139759-139759
10.1016/j.cplett.2022.139759
Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry
Volume: 427 Pages: 113853-113853
10.1016/j.jphotochem.2022.113853
光学
Volume: 51 Pages: 61-67
J. Mass Spectrom. Soc. Jpn.
Volume: 70 Pages: 24-29
High-Energy Chemistry and Processing in Liquids
Volume: 1 Pages: 331-356
10.1007/978-981-16-7798-4_17
The Journal of Physical Chemistry A
Volume: 125 Issue: 36 Pages: 8014-8024
10.1021/acs.jpca.1c06390
https://ocu-omu.repo.nii.ac.jp/records/2020525
http://laserchem.jp/
https://www.omu.ac.jp/sci/chem-photophys/
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/chem/laser/laser.html