Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
高次誘導ラマン散乱光系列の発生過程において、特定次数のアンチストークス光へのエネルギー集中と被波長変換レーザー光の波長掃引を組み合わせることで、エキゾチック原子の一つであるミューオニウムの 2p - 1s 遷移(Lyman α: 122.09 nm)遷移を用いたドップラーレーザー冷却に最適な性能を有する真空紫外・単一周波数・波長可変レーザーを実現する。さらに、実現された真空紫外・単一周波数・波長可変レーザーを用いて、水素原子をテスト媒質とする超微細構造を分離した高分解能レーザー分光をおこない、そこでの知見をもとに、ミューオニウムをレーザー冷却するためのシナリオを実験的に構築する。
ミューオニウムのレーザー冷却を念頭に、その目的にカスタマイズした真空紫外域単一周波数波長可変レーザーの実現に向けた研究を進めた。技術のポイントは、光位相の任意操作技術を非線形光学過程に組み込むことで、非線形光学過程を人為的に操作する点にある。原理的には量子効率1の波長変換も可能なことが理論と詳細な数値計算の双方から示されている。公募研究の2年目に当たる2022年度は、パラ水素分子気体を非線形光学媒質とする高次誘導ラマン散乱光発生過程を典型例として原理実証された室温実験での結果を、液体窒素温度下に置かれたパラ水素分子気体(純度: > 99.99%)を用いた実験系に拡張する研究を1年目に引き続き進め、当初の目的を達成した。実際に数十%の効率で特定次数の高次誘導ラマン散乱光にエネルギー集中できることを確認することができ、様々な条件における実験結果を系統的に整理した。技術的には、液体窒素温度下に置かれた低温パラ水素気体中に光の位相を操作するデバイスを組込む機構を技術的に確立したことがポイントであった。また、この技術を真空紫外域に拡張するための装置開発をおこない、ベースとなる部分をほぼ完成させた。真空紫外域での発生実験を進め、想定した真空紫外光の発生と計測がおこなえることを確認した。高出力化に向けて研究を進める基盤を確立することができた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 2021
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 4 results)
Communications Physics
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 179-179
10.1038/s42005-022-00956-6